Creality CR-10 V2導入レポート(購入からセットアップ)

こんにちは、ファブラボ神田錦町の井上です。

前回の投稿でマイ3Dプリンターの選び方をレポートしましたが、今回は購入からセットアップまでを紹介します。Creality CR-10 V2は、現在ではまだ国内で扱っている商社さんが無さそうです。一抹の不安を感じつつも、Banggoodで購入したのが4月3日。予測では4月25日着とありましたが、少し早まって4月22日に無事に到着しました。ちゃんと届くか内心ヒヤヒヤしつつも、比較的小まめにアップデートされるトラッキング情報を確認するのが日課になりました。

ダンボールサイズは約60cm x 60cm x 27cm

中は専用の梱包材でしっかりしています

組み立てキットですが、かなりプリアセンブルされています

細かなパーツ類もきちんと揃っていました

内容物がきちんと揃っていることを確認し、いざマニュアルを読みながら組み立てです。ネジが1,2本足りないくらいのことは覚悟していましたが、幸い全てミリ径だったので仮に不足していたとしても自分で対処しやすい内容でした。付属のマニュアルはイラスト付きでわかりやすいですが、英語と中国語による表記なので以下日本語で参考にしてみてください。

1. Z軸を上げる
ガントリー下部のモーターカップリングを回して、Z軸を中段あたりまで上げておきます
2. ベースとガントリーを組み立てるベース左右のアルミフレーム上の穴に合わせてガントリーを置き、M5x25のキャップネジで固定します(4箇所)
3. 垂直を確認
スコヤがあればガントリーの垂直精度を確認できます。プリントヘッドが重たいためか、少し前かがみになっていました。
4. ロッドを組み立てる
V2になって目に見えてわかるアップデート箇所であるロッドを組み立てます
5. 穴あきエンドキャップに交換
マニュアルにはなかった内容ですが、穴あきのエンドキャップが別パーツとして梱包されていました。ベース前面のアルミフレームの両端を、穴あきエンドキャップに交換します。マイナスドライバーなどでこじれば、すぐに取り外せます。
6. ロッドの取り付け
ガントリー側は写真のように付属のL字金具で取り付けます。ベース側は前出の穴あきエンドキャップを通して固定します。このロッドは筋交いとしてプリンター全体の剛性を上げるのに一役買っています。ロッドの長さは両端のアイボルトの出し具合で調整しますが、あまりタイトに取り付けるとガントリーが手前に引っ張られてしまうのでほどほどに(M5x12 ボタンキャップネジ8本)。
それにしてもこのロッド、片側が逆ネジになっていれば長さ調整も楽だし、ガントリーの角度も微調整できるのにな、という改造ポイントを見つけて楽しみます。
7. コントロールボックスにスプールホルダーを取り付ける
「こんなん最後でええやん…」と内心ツッコんでいましたが、マニュアルによればここでスプールホルダーを組み立てます。
8. Z軸原点スイッチを取り付ける
ガントリー左側面に、Z軸原点スイッチを取り付けます(M4x16 キャップネジ2本)。ベースから出ているケーブルを先に繋いでしまった方が楽です。合わせて左右のZ軸モーターもケーブルを繋ぎます。
9. 各ケーブルをつなぐ
ベースから伸びている太いケーブルをコントロールボックスに繋ぎ(写真上)、コントロールボックスから伸びているケーブル2本を本体に繋ぎます。各ケーブルは形の異なるコネクタになっているので、間違えることはありません。
10. 電源電圧を合わせる
このCR-10 V2は115V/230Vいずれかの電源で動くようになっていますが、あらかじめコントロールボックスの右側面にあるスイッチで電圧を指定しておく必要があります。日本の家庭用電源に合わせて、写真のスイッチを「115V」に設定します。この操作は必ず電源投入前に行ってください。
11. 電源を入れ、動作確認をする
電源を入れ、問題がなければ写真のような状態になります。コントロールボックスのダイヤルを押し込むとメニューが現れるので、まずは原点出しを行います(Prepare > Auto home)。問題がなければX,Y,Z軸の順に原点出しを行い、プリンターヘッドが左手前に来た状態で止まります。
13. テーブルのキャリブレーションを行う
コントロールボックスのメニューからPrepare > Disable steppersを実行し、モーターの接続を切ります。キャリブレーションはテーブルとノズルの距離を合わせつつ、テーブルの水平をとる作業です。ノズルとテーブルの間にコピー用紙1枚を挟み、紙がわずかに引っかかる程度の高さに合わせます。高さの調整はテーブル下のノブを回して行います。少なくともテーブルの四隅でこの作業を行い、高さと水平を合わせましょう。Disable steppersでモーターをカットしている間は、プリントヘッドやテーブルを手で動かしても構いません。調整前なので、ノズルでテーブルを引っ掻かないよう注意しましょう。

これで本体のセットアップは完了です。ほとんどの部分が既に組まれているので、慣れた人なら30分ほどで設置できてしまうでしょう。組み立てに必要な工具も一式揃っているので、あらかじめ必要な準備もありません。これまでに培われたノウハウが活きているのだと思いますが、非常にシンプルでトラブルが起きにくいキットでした。

次回はいよいよプリントレビュー編です。お楽しみに!

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