デジファブパーク制作レポート(4)【デジファブタウン】

長野県佐久市にある、佐久市子ども未来館で開催された2022年夏の企画展「デジファブパーク」。会場を彩った数々の展示物の中から、その一部の制作レポートをシリーズでお送りしています。レポートの最終回は、会場入口はいってすぐに広々配置した「デジファブタウン」です。

企画展示室の入口を入るとすぐ、目の前に広がる木製の山々。大型CNCルーターShopBotで切り出したパーツを組み合わせ、大きな街を作りました。ここに、3Dプリンター製のブロック「39ブロック」を自由に積み上げ、オリジナルのたてものを建てて遊ぶことができるコンテンツです。

街には電車が2台、山の間を縫うように走っています。先頭にカメラが内蔵されており、会場に設置されたテレビモニターにリアルタイムに電車から見た景色が映し出されます。自分の作ったたてものや、ブロックで遊ぶみんなの姿が映し出され、どんどん変わるデジファブタウンの様子を眺めて楽しむことができます。この電車も、3DプリンターとUVプリンター製のオリジナル車両です。

街をつくる

3Dプリントファクトリーでつくったブロックを楽しむには、どんな仕掛けが最適だろうか?さまざま議論した結果、皆で街をつくろう!というアイデアにたどり着きました。
デジタルファブリケーションで製作をすると、どうしてもワークサイズ以下に落ちつきがちですが、広い会場を使えるので、せっかくだから大規模な街にしよう!そんな思いで設計に取りかかりました。

◉ちょっとした工夫点
高さをつくりたいので、木材を15段ほど積み上げた山を設計しました。そのまま使用すると、木材の量が大変なことになってしまいます。そこで、使用する木材を最小限に抑えられるよう、入れ子状で組立ができるよう設計しています。また、保管や輸送のため4分割できるようになっており、組み立てた後にもマトリョーシカのように、ひとつのベースの中に全てのパーツを保管できるように設計しています。

◉製作協力
このSHOPBOTを使った製作では、ファブラボみなとみらいにご協力をいただきました。

プラレーレルを改造する

来場者がつくる街を走る車両から見る風景は、どんなに綺麗なんだろうか。見てみたいな。
そんな願いを叶えるために、車載カメラを搭載した改造プラレールをつくりました。
ECサイトで無線で映像を飛ばせる小型カメラを調達し、それを搭載しています。3Dプリント製のボディーは、周りをUVプリンターでデコレーションしています。

小型カメラの映像を受信するiPhoneを会場にセットし、その映像をテレビモニターに映し出す仕組みです。自分の置いたブロックがモニターに映し出されるのをじっと待つお子さま達や、モニターを見ながら街の風景をアップデートしているお子さま達が印象的でした。