イベント紹介 | 佐久市子ども未来館「デジファブパーク」

長野県佐久市、新幹線佐久平駅のほど近くにある「佐久市子ども未来館」。
通称sakumo(サクモ)にて、この夏休みの期間中、当社が企画・制作した特別企画展を開催しています。

その名も「デジファブパーク」。デジタルファブリケーション技術を知ることのできる、ひと夏だけの公園です。
今回はこの展示について、内容や見どころを詳しくご紹介します。

デジファブパークは、触って遊べる遊具や、機器の体験コーナー、デジファブ技術を紹介する展示エリアなど、デジタルファブリケーション機器や技術について、小さなお子様から大人の方まで楽しく知ることができる内容になっています。
また、会場内で使用している遊具や什器も、デジファブ機器を用いてオリジナルで製作したものを使用しています。


#みんなでつくるデジファブタウン


企画展示室の入口を入るとすぐ、目の前に広がる木製の山々。大型CNCルーターShopBotで切り出したパーツを組み合わせ、大きな街を作りました。その街に、3Dプリンター製のブロックを自由に積み上げ、オリジナルのたてものを建てて遊ぶことができるエリアです。

街には電車が2台、山の間を縫うように走っています。先頭にカメラが内蔵されており、会場に設置されたテレビモニターにリアルタイムに電車から見た景色が映し出されます。自分の作ったたてものや、ブロックで遊ぶみんなの姿が映し出され、どんどん変わるデジファブタウンの様子を眺めて楽しむことができます。
この電車も、3DプリンターとUVプリンター製のオリジナル車両です。


#3Dプリンターファクトリー

タウンの奥には、3Dプリンターが4台並んでいます。展示中は常に稼働しており、今遊んでいるブロックがどのようにできていくのか、コツコツと作っている様子を見て知ることができます。
この3Dプリンター、現地で操作して動かしているのではなく、私たちが遠隔操作をしています。ウェブ上で3Dプリンターの動きを管理しており、また見守りカメラでプリントの状況も確認し、安全に遠隔3Dプリントができるよう設計しています。

ファクトリーでプリントしているこのブロックは「39ブロック(さくぶろっく)」と言います。佐久の地名にちなみ、39枚の羽根があります。形は全部で9種類です。

こちらは展示初日の様子。ブロックを高く高く積み上げたり、電車の通り道に橋を作ってみたりと、「みんなでつくる」の名の通り、思い思いの遊びを発明して子供たちが自由に楽しんでくれている姿が印象的でした。
会期中、どのようにこのデジファブタウンが発展していくか、楽しみです。


#デジファブの森を探検

デジファブ機器を使用して作った木々の中を、ボールをコロコロと転がして遊ぶコーナーです。
ゴールにはレインボーフィラメントを使って作成した大きな3Dプリント製の虹色の木があり、うまくボールを当てることができると、チリンと鈴のかわいい音が鳴ります。

障害物となる木はレーザーカッターと3Dプリンターで製作しました。ボールがぶつかると羽根がくるくると回る木と、ゆらゆらと揺れる木があり、2種類の動きを楽しめます。
ボールは、木製・ゴム製・ピンポン玉など材質が違うものや、まんまるな形、卵型、いびつな形など形状の違うものなどなどいろいろな種類のものを用意し、転がりやすさや転がる速さの違いを学べます。ボールの重さによっても、木にあたったときの動きや、ゴールでの鈴の音の大きさが変わります。
この什器も、大型CNCルーターShopBotで製作しました。


#3Dプリンターの仕組み

立体モデルを横にいくつもスライスしたパズルです。
数字の順に積み上げていくと、3Dプリントした見本と同じ立体の形が出来上がります。
パズルの素材はevaボードと呼ばれるスポンジを使用しています。Fusion Slicerというソフトを使用して作成した展開図を、レーザー加工機でカットし製作しました。
難易度別に4種類あり、比較的簡単なものから、細かいパーツを慎重に積んでいかないと完成しない難しいものまで準備しています。1層ずつ樹脂を積み重ねて作る3Dプリンターの仕組みを追体験することができます。



#お絵かきしてデジファブ体験

展示会場内にレーザー加工機を設置しており、実際に加工体験ができます。
使用するレーザー加工機は「makeblock」です。イラストなどを書いた紙を本体の中に入れると、内蔵されたカメラで線を解析し、ボタン1つで加工を行う「スキャンカット」という機能が搭載されています。このスキャンカットの機能を使い、お絵描きしてもらった絵を彫刻した特製のカードをその場で作成することができます。

紙に描かれた絵を自動で機械が読み取り、赤い線はカット、黒い線は彫刻加工を行う

お絵描き専用の台も用意しました。これは展示用の什器を製作した際にでた、板材の残り部分を活用して作られたものです。


#デジファブでできること

デジファブに関するプロダクト作品の展示コーナーです。
過去に当社で製作した事例や、様々な企業、アーティストの皆様からお借りした作例を展示しています。
私たちの身の回りで、どのようにデジファブ技術が使われているかをご紹介しています。

触れる展示物:インフィル(3Dプリント品の内部構造)の違いにより、部分部分で触り心地が異なるグリップ

“デジファブパークができるまで” を紹介するパネル展示

#デジファブでできたらいいな

この展示を体験してくれた皆さんが、将来デジファブを使ってどんなものが作りたいか、どんなことがしたいかを自由に書いてもらうコーナーです。この展示から想像(創造)の芽をふくらませ、みんなが大人になる頃には当たり前となったデジファブ技術で、いろいろなアイデアを形にするきっかけになってくれると嬉しいです。

この夏はぜひ、佐久市子ども未来館で、デジファブに触れて遊んでみませんか。
お近くにお越しの際はぜひお立ち寄りください。

■企画展概要
「デジファブパーク」
期間 2022年7月23日(土)から9月4日(日)
会場 佐久市子ども未来館(長野県)

企画・制作 株式会社デジタルファブリケーション協会
デザイン 株式会社NDCグラフィックス
行為資源開発
展示協力 ファブラボみなとみらい[神奈川大学]
ファブラボ品川
株式会社イリス
インスタリム株式会社
マテリアライズジャパン株式会社
株式会社ミマキエンジニアリング
製作協力 ファブラボみなとみらい[神奈川大学]
@Aldebaran_faber

オフィシャルウェブサイト 佐久市子ども未来館
夏の特別企画展特設ページ


7月30日と31日には、夏の特別企画展関連ワークショップ「ナーディーダービー」を開催!
Maker Faire Tokyoでも大好評のこのプログラム。各日先着制ですので、お早めにお越しください。
・NerdyDerby2018

ナーディーダービー
参加者それぞれがミニチュアカーを作って競う「ルール無用」のレース大会です。参加者には基本となるミニチュアカーのキットと工具をお渡しします。テストコースを走らせながら、自分のミニチュアカーを作り上げてください。さまざまな部品をつけてオシャレに装飾したり、付け方を工夫して早くしたり遅くしたり、または重たくしたりとその活用は無限大です。何度もトライ&エラーを繰り返し、自分の車を改良してレースに挑むワークショッププログラムです。