イベントレポート|日本-ブータンFabLabオンラインミートアップ

現在JICAがブータン政府とともに、ブータン王立大学科学技術カレッジ(CST)内にファブラボの設立準備を進めています。2018年にブータン王国首相がファブラボ鎌倉を視察されたり、翌2019年にはLyonpo Dorji Tshering大臣がファブラボ神田錦町に視察に来られるなど、JICAを通じてブータン-日本間のファブラボの関係は深く、国家戦略としてファブラボに力を入れています。

そんなブータンと日本の各ファブラボ運営者をつないだオンラインミートアップが8月9日に行われました。日本からは17拠点のファブラボが参加し、新しく設立されるCST FabLabの運営のヒントとなるべく、日々の取り組みやコアユーザーの活動事例を発表しました。

ブータン王立大学科学技術カレッジ学長のCheki Dorjiさんのプレゼンテーションに始まり、CST FabLabが掲げるビジョンや、実施予定の取り組みなどが発表されました。人口約75万人ほどのブータンでは国内市場の規模が小さく、日用品や生活必需品のほとんどを輸入に頼っています。険しい山々に囲まれたブータンでは輸送コストもかかるため、いかに国内産業の発展を促すかが課題でした。そこで教育から研究・開発までを行う拠点のあり方としてファブラボに期待が寄せられています。大学内に設置されるCST FabLabは、新しい教育環境であると同時に、ゆくゆくは外部の個人や組織、民間企業との共創を推進させていくことを見据えています。

次に慶應SFCの田中浩也教授による、日本におけるFabの概要やFab Cityに関するプレゼンテーションに続き、具体的な取り組み事例として各ラボの運営者が発表を行いました。2011年にファブラボ鎌倉・ファブラボつくばが誕生してから10年の間に全国に広がったファブラボは、それぞれが異なる運営体制のもと、活動内容や得意分野、ユーザー層にも特徴的な違いが見られます。一言では言い表せないファブラボのディテールが、17の運営者による発表によって多様な形にシフトしていく様は、それぞれの運営期間にばらつきはあるものの、10年に渡る活動の集積と変化を感じさせました。ところ変わってブータンにおけるファブラボが、今後どの様に発展し、その特徴を形作っていくのか今から楽しみです。

今年カナダのモントリオールで開催された「世界ファブラボ会議(Fab16)」に続き、来年のFab17はブータンでの開催が決定しています。長引くコロナの影響で現地参加が難しい状況が続きますが、オンライン参加に素早く対応し、充実した内容を維持できるあたりはファブラボのファブラボたる所以の様なものを感じますが、来年こそは顔を合わせたカンファレンスになることを願っています。

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