◎機材導入や人材育成など

新しくデジタル加工工房やファブスペースを立ち上げる方や、既にある工房へデジタル工作機械を導入したいといった方へ、機材の導入支援、データ作成を含む機材の操作方法から運営スタッフへのレクチャー、メニュー開発まで、環境に合わせたプログラムを用意しています。
また、3Dプリンターをはじめとした、デジタル工作機械を取り入れたワークショップを実施し、幅広い世代に対してデジタルファブリケーションの体験の場を提供しています。
デジタルファブリケーション技術を有効活用した「かたちにする技術」「共創・社会連携のマインド」「領域を越える力」をもつ、次世代の“ものづくりの担い手”を育てます。

M.ZONE|レジデンス渡航記-04

こんにちは、デジタルファブリケーション協会の井上です。

台湾レジデンスプログラム4日目は、前日に開催されたワークショッププログラム「新しいFabサービスを開発する」の2日目を行いました。各参加者は、前日から継続して各アイデアを形にしていきます。レザークラフトでプロトタイプを進める人、レーザーカッターやUVプリンターといった機材にフォーカスして活用方法を考える人など、それぞれが普段から扱っている、得意としている技能を活かしてプロトタイピングを進めました。

時折アドバイスなどもしますが、どの参加者さんもプロトタイピングに十分なスキルをもっているので、合間を見ながら井上も簡単なサンプルを作ります。以前このブログでも紹介した「不思議な看板」です。M.ZONEの出入り口に「オープン/クローズ」の表示が無かったので、これ幸いと急遽参戦しました。

また、1,2日目で進めていたNerdy Derbyの仕上げも進め、Super Loopに続き無事にLarge Hillも組み上がりました。台南でのイベントから戻ったコースとも上手くレイアウトされ、ちょっとした都市風景を連想させます。

やがて各々のプロトタイプも形になり、14点の試作品が並びました。前日のグループワークで出した「観光客向け」「地域性」といったテーマを意識した成果も並んでいます。

例えばレーザーカッターを使って作られた下の組み立てモデルは、駁二芸術特区のイメージキャラクターをモチーフとしており、組み立てるだけでなく、自由に色を塗ることを想定しています。実際に駁二芸術特区のあちらこちらにはアーティストが自由にペイントした同キャラクターが並んでおり、ミニチュアながら参加者はそうした街の取り組みにも参加できるというコンセプトです。今回の例ではレーザーカッターですが、モデリングすれば3Dプリンターで展開することもできそうです。

こちらは地元で活動しているグラフィックデザイナーさんの試みで、折り方によって形が変わるショッピングバッグのプロトタイプです。通常の四角い紙袋を原型としながら、あらかじめ折り目をつけておくことでプラス3種類のフォルムに展開することができるというもの。ワークショップで作ったものを持ち帰るための袋が無いというところから発想しています。ワークショップによって作られるものの大きさが変わってくるので、1種類の袋でマルチに対応できればという狙いです。

この2日間の成果物を互いに発表しながら、もっとこうしよう、ああしようとざっくばらんな意見が飛び交うのは、こうしたメイカーコミュニティーの強みです。一方で、そうしたコミュニティーから如何に産業を生み出していくかが、ファブラボやM.ZONEをはじめとするメイカースペースに課せられた次のミッションとも言えます。この2日間は、互いに共通するミッションを細部に渡って共有しながら取り組むための第1歩として貴重な機会となりました。運営方法や地域性といったディテールの差異はあるものの、共通する課題に対してどのようにアプローチするか、今後も連携を深めたいと思える滞在となりました。

Photo taken by Lily Hung

コメント

*
*
* (公開されません)