最近、画像切り抜いていますか?
みなさま〜!最近UVプリンター、使ってますか?
かくいう私は…あんまり…使いこなせていません、。
というのも、ちゃんと作ろうとすると重い腰を上げて、「アレ」をしなければならないからです。
UVプリンターはよく使われる用途があります。「透明アクリルに対して印刷を行い、グッズを作ること」。そのときにやっておくといいのが「画像を切り抜く」作業です。切り抜き作業を行うことで透明なアクリルの魅力を引き出すことができます。
ですが実はこの作業、とても面倒なのです。説明するとドローツールや写真編集ソフトで切り抜きたい場所を囲うように線でなぞっていく、だけですが気合いがないと途中でそっとパソコンを閉じてしまいます。データにこだわると完成度がぐっと上がる、ということを知っていてもツラいものはツラいよ…。
調べてみると今は、AIが切り抜いてくれるWebサービスがあるらしい。環境に左右されずソフトすらインストールしなくてもいいとのこと。
…すいません、任せてもいいですか!?
今回は、3つの切り抜きサービスと6つの写真素材を使い、それぞれのサービスの特徴をみたり、サービスの長所・弱点を調べてみます。良い結果を得られないか挑戦してみます。
真夏の自由研究じゃあ!!
使用したサービス
今回切り抜きAIのサイトは以下を使用しました。検索して上位に名乗り出てきた者たちです。
・切り抜きAC(https://clipping-ac.com/)
・Photoroom(https://www.photoroom.com/ja/tools/background-remover)
・Remove.bg(https://www.remove.bg/ja)
※それぞれのサービスは事前に利用規約やプライバシーポリシーを一読し、理解をしたうえでご利用ください。写真素材はAdobe Stock(強化ライセンス版)のものを使用しています。
Case 1. 日用品部門 トイレットペーパー
いくらあっても困らないもの。山積みのトイレットペーパーです。
モノ自体は複雑な形ではなく、色も単調で背景との境界もしっかりめ。複数個がかたまって塊となっていますのでどこまで切り抜きで拾うかが気になります。結果は…
切り抜きAC:◯ Photoroom:◎ remove.bg:◯
見逃さなかったPhotoroom。写真下部背景側影になっているところのトイレットペーパーも切り抜きました!他の2つは見落とし…。上部中央の芯も取り込まれています。ここではPhotoroomが活躍しましたがどの結果も全体的に良好だと思いました。
Case 2. 工具部門 ラチェット&スパナ/レンチ
ギンギラがかっこいい、ラチェットとスパナ、レンチです。
境界近くに金属の光沢や落ちる影などがあります。背景と近い色合いで場所によっては同化してるように見えるかも。結果は、
切り抜きAC:✕ Photoroom:◎ remove.bg:△
課題が難しすぎたのでしょうか、切り抜きACが背景を大きく切り取ってしまいました。また切り抜き欠けも大きく使用には向かない結果に。remove.bgもいい感じではあるものの部分部分で切り抜きミスが見られます、惜しい。Photoroomは今回もいい感じです。モノの切り抜きが得意なのかもしれませんね。
Case 3. 輝く笑顔部門 ステキなおねえさん
早く涼しい季節になってほしい。ステキなおねえさんです。
背景がボケていて被写体ははっきりしています。髪の毛がちょこちょこ広がって巻いていますが細〜い箇所をうまく切り抜けるか。
切り抜きAC:◯ Photoroom:◯ remove.bg:◎
まぁ!すてきに切り抜けました。どれも良い結果のように見えます。切り抜きACは肩付近の細い髪のディテールを少し失っています。ただ人によっては気にしないでも良い範囲ではあるかも。他2つも問題ないと思います。今回は全体のくっきり度でremove.bgが一番きれいに切り抜けたように見えます。
Case 4. アウトドア部門 ピクニックフレンズ
お外で一緒に食べるご飯は美味しいワ〜!ピクニックフレンズです。
これも背景がボケて被写体はキレイに撮れています。足元の落ち葉周辺や手繋ぎの部分などはどのように処理されるか。
切り抜きAC:△ Photoroom:◯ remove.bg:◯
こちらも全体的に良好ですね。人物はAIが得意なのでしょう。粗が見られるのは切り抜きACの足元くらいで手つなぎの部分や小道具などそれ以外はどれもバッチリでした。
Case 5. 奈良部門 シカ
ぬん。奈良公園のシカの子です。
写真どセンターに被写体がおり、そんなに難しいお題ではないのでは、と思います。シカさんは複数体いますが、後ろの子も切り抜けるのでしょうか。
切り抜きAC:△ Photoroom:◯ remove.bg:◯
きれいに切り抜いたのはPhotoroomとremove.bg。切り抜きACは周りのディテールも少し拾ってしまいました。あとここで気になるポイントをひとつ。尻尾のように見える切り抜きACですが実はこれ、後ろにいるシカの一部!なので後者2つが正解を導いていますが、結果としては尻尾付きみたいに見える切り抜きACも可愛いですね、嬉しい誤算です。
Case 6. 絶滅危惧部門 スローロリスさん
まんまるお目々ですがめったにお目にかかれぬ動物、スローロリスさん。
境界はふさふさで、塊感のあるフォルムです。木の枝に捕まっているため、どこまでを切り抜いてくるかが気になります。
切り抜きAC:◯ Photoroom:◯ remove.bg:◯
塊感があったというのもありどれもきれいに切り抜けています。Photoroomが動物の輪郭、という点ではベスト。枝まで含めるとremove.bgがいいですね。切り抜きACは足元の枝を含んでいますが、全然問題ないと思います。というわけで全体でみてこれは同程度としました。
結果発表(総評)
これまで切り抜き比較を行ってきましたが、個人的な評価は以下のようになりました。
それぞれサービスの評価をまとめると
・Photoroomは全体的に精度が良いです。特に境界をはっきりとさせてくれる印象で切り抜き画像として見栄えが良いと感じました。処理レスポンスもGOOD。
・remove.bgはバランスが良いと感じました。サイト自体の処理が重たい場面もありましたが、周辺のものとの関係性も考慮してくれる印象を受け今後に期待したい。
・切り抜きACは像の欠けミスを防ぐための許容値の優しさを感じ取れました。サイト自体は軽快に動作してくれました。
それぞれサービスを使ってみて気付いた、いいとこ悪いとこ長所
・環境を選ばないこと。インターネットに繋がって、必要十分な動作環境さえあればどこでも切り抜けます。iPhone、Android、Windows、Macとどれでもいけます。
・思ったよりも精度が良い。手軽な割に想定以上の結果が返ってくる。今までの手間は何だったのか…と衝撃を受ける人も多くいそうです。
・楽ちん!これが一番の長所!写真をドラッグ&ドロップして結果をダウンロードするだけ。電子レンジでチンするくらい簡単です。
弱点
・背景と被写体の色が似ていると精度に影響する。やはり切り抜きというものは境界をはっきりとさせる作業であり、色が近いと難しいようです。背景がなるべく切り抜きたいものと違う色である写真や素材であるといいですね。
・サイトによって結構結果は変わる。写真は同じでもそれぞれ違う結果が返ってきます。また同じサイトでも再処理を繰り返すと結果が変わったりもします。…なのでサイトを縦断し比較して、好みの結果を素材にする、というのも一つの手段にできるかもしれません。
・切り抜きたい対象を指定できない。これは人によってはもどかしいポイント。AIが切り抜く対象を決めちゃうので「それじゃあなくて〜」が起こることも。そのときは、事前に大きく写真をトリミングして被写体認識のサポートをしてあげるといいかなと思います。
いかがだったでしょうか。
これらのサービスはほぼ無料(一部有料)ということでしたが十分に実用性のあるレベルで提供されていることがわかりました。うまくいかないこともありましたが結果は写真の相性などもありますし、サービスの今後のアップデートなどによって仕様や精度に変化がある可能性もあります。
AIサービスも人間と同じように失敗などを経験し改善されていくもの。これからも適度な距離感を保ちながらお世話になろうかと思います。
今回の切り抜き結果をもとに…
UVプリントして(アクリルキーホルダーつくって)みた。
おまけ:iPhoneの機能で切り抜いてみる
環境を選ばない、という理由でWebベースのものを取り上げたのですが、執筆中にiPhoneがあれば切り抜ける!という話題を見かけたのでやってみました。写真で被写体を長押し>共有…>画像を保存でpng画像にできます。
うう、これ。それなりに使えるかも。A12 Bionicチップ以降搭載機で使用可能です。(iPhone XS、XS Max、XR以降、iPhone X、8、8 Plus以前は非対応)比較的新しいiPhoneなどをお使いの方はぜひ試してみてください。高価ですがAI搭載PCなども最近出始めています。そのうち、どのパソコンでも容易に画像切り抜き放題になればいいね〜。
▲喋ってるみたいで可愛い
おしまい
written by ささたか