S.T.E.A.M.ania at OliOli

こんにちは、デジタルファブリケーション協会の井上です。
ドバイ滞在レポートの第2弾は、我々がOliOli Derbyで企画に加わった「S.T.E.A.M.ania」についてお伝えします。

10/18~22の5日間にわたって開催されたS.T.E.A.M.aniaは、今回OliOliで初めての開催。意外なことにNerdy Derbyでは必須のホットボンドも、子供に使わせるのはOliOliでは今回が初めてということで、開催前は現地のスタッフさんも多少ナーバスになっていました。来場者の年齢層が低いこともありますが、彼らによればドバイの「DIYカルチャー」は決して旺盛ではなく、大人も含めてそもそも「つくる」ということにあまり慣れていないそうです。材料の手配も大変だそうで、車で30分ほど走ったところにある一軒のホームセンターが唯一の選択肢(ネット販売無し)とのこと。そんな背景なので、“We’ll change it from HERE”というスタッフさんの言葉が響きます。

滞在2日目にS.T.E.A.M.aniaの内覧会が行われ、3日目から本番スタートというスケジュールでした。内覧会というので日本のようにメディアや関係者向けかと思っていましたが、現地のスタッフさんによればメインはインフルエンサーとのことで、現代的な印象を抱きました(とはいえこのインフルエンサーという言葉も日本で使われているニュアンスとは多少異なるかもしれません)。今回はOliOli Derby以外のプログラムもいくつか紹介します。

四角いタイヤのトライク

通常の自転車や三輪車のタイヤは円形ですが、ここにあるのは四角いタイヤのトライク。普通はこれでは走ることができませんが、凹凸のある専用の地面なら走ることができます。この不思議なトライクを自分で運転して体験しながら、どうして走れるのかを観察するプログラムです。

オリジナル電子ブロック

木材と組み合わせたシンプルで可愛らしい電子ブロック。電子ブロックのアイデア自体はどこにでもありますが、ベースを木材で作るだけで親しみが湧きます。元はピッツバーグ生まれの教材とのことですが、現地で作られたオリジナルのブロックも含まれているとのことです。

音を奏でるベンチ

Music Benchと題されたこの作品は、アーティストインレジデンスで滞在制作中のアメリカ人アーティスト、Ryan Jenkinsさんによるもの。2人で腰かけ、それぞれ左右の肘掛けに設置された電極に触れたまま手を繋ぐと、抵抗値に合わせた音階の音が奏でられるという作品です。指先だけで触れたり、腕を絡めたりするうちに様々な音階で音が流れます。まさにDIWO(Do it with others)なインタラクティブアートで、たくさんの子供たちが作品を楽しんでいました。Ryanさんは世界中のミュージアムや自治体、企業に対してSTEAMプログラムの企画開発を行なっているWonderful Idea Companyの共同創立者でもあります。

最後に、我々が企画協力したOliOli Derbyの記録映像をまとめたので、是非ご覧ください。

2018年は台湾、2019年はUAEと、Maker Faire Tokyoでの活動をきっかけに海外での展開事例が増えてきました。とはいえ、そこに参加する子供達の反応は万国共通のようで、レースに勝って大はしゃぎする子もいれば、うまく走れなくて泣いてしまう子、一日中いる子や連日参加している子もいました。2016年に初めてNerdy Derbyに関わった時から、「学び」の下地として「いかに夢中にさせるか」を考え続けてきました。子供達の素直な反応を見るたび、狙い通り夢中になってくれているのを感じます。次はどこの子供達を、どうやって夢中にさせるか、思いが膨らむドバイ滞在でした。

コメント

*
*
* (公開されません)