モバイルファブラボ・3Dスキャン|秋田編

2018年9月13日から14日にかけて、スーツケースに機材を詰め込み、ひさしぶりの『モバイルファブラボ』を実施しました。秋田市指定文化財のデジタルデータ保管と修復を目的としたプロジェクトです。秋田公立美術大学からの依頼により、実施に至りました。
スーツケースの中には、プロ用3Dスキャナとワークステーション(PC)を詰め込んでいます。


訪れたのは、秋田市内にある新波神社。秋田駅から車で60分ほどの位置にあります。草創は大宝2年(西暦702年)で、長くこの地の暮らしの営みを見守る神社です。境内には杉や銀杏の大木があちらこちらに生い茂り、その歴史を感じる事ができます。


この神社に収蔵されている「北辰妙見立像」を、デジタルデータでも収蔵しようというプロジェクトです。この神像は、秋田市指定文化財とされています。
この神像の荒廃が激しいため、3Dスキャニングをしてデータで保存することになりました。また、取得したデータと過去の文献を基に、3Dデータでの修復と3Dプリンティングでの復元することを目的としています。

秋田市指定文化財「北辰妙見立像」について
平安時代(貞観3年、西暦861年)につくられた男神像。慈覺大師による作。像高は、416[mm]。荒廃については、屋外に収蔵していたことによる、風雨と虫害によるものと考えられている。


3Dスキャニングには、通常マーキング(丸点)をしながらスキャンを進めますが、神像の荒廃がはげしいため、対象物の表面にマーキングをすることができません。その為、神像の周りに敷いたクッション材へのマーキングを施し、正確にスキャンができるような工夫をしています。


取得したデータは、コンピュータの中で合成をおこない、一部データ欠損している箇所の修復を進めます。この作業は現在進行中で、データが整い次第、3Dプリンティングによる復元へと繋がっていきます。これについては、また改めてご紹介したいと思います。

当日の様子が秋田テレビで放送されました。3分間の中で、分かりやすくまとまっています。
http://www.akt.co.jp/news?sel=20180912_3

◉使用機材
プロユース3Dスキャナ EinScan-Pro

当社では、このような文化財のデジタルデータ保管やデジタル修復のご用命、お待ちしています。
スーツケースに機材を詰め込み、お伺いいたします。
お問い合わせは→こちら

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