◎機材導入や人材育成など

新しくデジタル加工工房やファブスペースを立ち上げる方や、既にある工房へデジタル工作機械を導入したいといった方へ、機材の導入支援、データ作成を含む機材の操作方法から運営スタッフへのレクチャー、メニュー開発まで、環境に合わせたプログラムを用意しています。
また、3Dプリンターをはじめとした、デジタル工作機械を取り入れたワークショップを実施し、幅広い世代に対してデジタルファブリケーションの体験の場を提供しています。
デジタルファブリケーション技術を有効活用した「かたちにする技術」「共創・社会連携のマインド」「領域を越える力」をもつ、次世代の“ものづくりの担い手”を育てます。

M.ZONE|レジデンス渡航記-01

こんにちは、デジタルファブリケーション協会の井上です。
前回の投稿に続き、台湾・高雄からレジデンスプログラムのレポートをお送りします。

今回滞在するM.ZONEは、高雄港の駁二芸術特区に位置しています。どことなく横浜の赤レンガ倉庫周辺の雰囲気に似て、かつて倉庫だった建物がギャラリーやシアターなどに改装されていたり、外壁に様々な作品が描かれていたりと賑やかな一角です。週末には多くの人で賑わい、滞在中にも蚤の市のようなものが開かれていました。港としての機能が移転したことで地域一帯が一度空白となり、芸術特区として再活用されるようになりました。特区から1本隔てた近隣には船舶用のワイヤー(めちゃくちゃ太い)が売られていたり、本屋には船舶技術にまつわる本が多く並んでいたりと、かつて栄えた港湾の名残が見てとれます。

さて、そんな賑やかな空気に囲まれたM.ZONEは、大きな作業スペースに充実した設備を持っています。日本でもおなじみのレーザーカッター、3Dプリンター、UVプリンターといったデジタルファブリケーション機材に加え、木工作業に特化した専用スペースやジュエリー制作が可能な設備もあります。まずは最初の2日間で、弊社でも毎夏恒例となっているNerdy Derbyのコース制作をサポートします。M.ZONEの代表で今回井上を招待してくださったYangさんたっての希望で、2年前に制作した「Nerdy Derby Super Loop」と、「Nerdy Derby Large Hill」を制作します。

先にデータを一通り送っていたこともあり、既にほとんどの部材が切り出されてました。一部3Dプリンターパーツのみ出力中でしたが、FDMが計10台(うちデルタ型4台)も並んでいるので全く心配いりません。切り出されたパーツを仕分けし、接着作業に入ります。また、不足していた切削部材の切り出しも行います。

M.ZONEの木工スペースには大小合わせて4台のCNC切削機があり、今回は一番大きなAxiomというメーカーの切削機で加工しました。使ったことのない機種ですが、CAMはShopBotでもおなじみのVectric Aspireだったので、切削データの制作を井上が行い、ハードの操作はスタッフのカカさんに手伝ってもらいました。木工作業のレクチャーなどを主に担当するカカさんは、今回のワークショップを通じてとても強力にサポートしてくれました。

午後に入り、昼食も兼ねて組み立てに必要なネジの買い出しへ。自転車で、というので目を向けたらM.ZONEのユーザーさんが作ったというDIY自転車が出てきました。チェーンが若干空回りする感じはさておき、これはテンション上がります。街行く間も人目を引きました。

昼食後に立ち寄ったネジの専門店とツール屋さんです。日本でネジの専門店といえば秋葉原の西川電子部品が思い浮かびますが、港湾地域にあるためか我々が普段使わないような大きなネジも置いてあります。ミリ/インチ両方の規格も揃っており、取り扱っている長さのバリエーションも多く、一般的なホームセンターより充実している印象を受けました。

無事に部材も購入でき、Super Loopの残りの組み立てを進めます。幸い固定しやすい壁があったので、組んだSuper Loopを設置して完成です。事前に切り出しを済ませてくれていたおかげですが、1日でコースが組み上がるスピード感にM.ZONEスタッフも喜んでいました。

明日はM.ZONEもNerdy Derbyで出店しているMaker Festaの見学に台南まで向かいます。

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