訪問記|東京ファッション産業機器展

10月3日、4日に東京ビッグサイトで開催された東京ファッション産業機器展(FISMA TOKYO)を訪問してきました。様々な用途にカスタマイズされた工業用ミシンや裁断機、アイロンといったハードから、アパレルCAMなどのソフト、糸や生地などの素材まで、ファッション産業に関わるあらゆる展示物が並びます。過去に見学した日本国際工作機械見本市(JIMTOF)や設計・製造ソリューション展(DMS)が比較的「硬いモノ」を扱う技術に対し、「柔らかいモノ」を扱うファッション産業機器は全く異なる技術が並び、大いに刺激的な展示会でした。興味深かった展示品の一部を紹介します。

まずは弊社でも刺繍ミシンでお世話になっているタジマ工業さんのブースです。上の動画は新製品の「ビーズ刺繍機」です。ビーズを一玉ずつ縫い付けていく様子が見てとれます。まさに針の穴を通す精度に驚かされます。下の写真は出来上がったサンプルです。当然ながら糸だけでできた刺繍とは見栄えも異なってきます。


次は革に刺繍を施す専用の刺繍機です。革は布に比べて硬く、針で開けた穴も締まるため、直接刺繍すると糸が切れやすくなります。上の動画は予めポンチを打って革に穴を開けている様子です。下の写真は穴を開けた直後のもの、さらにその下は完成品です。この技術によって、これまで革に対して使えなかった細い糸でも刺繍できるようになります。また、穴自体をテクスチャーとして活かすこともできます。この刺繍機は、主に高級車の内装作りに使われているとのことです。


車関連で言えば松屋R&Dさんの展示品、ロボットアームミシンも興味深い一品でした。ロボットアームの先端に拡張性があるのは周知の事実ですが、縫製ミシンが乗っているのを見たのは初めてです。

続いて佐文工業所のブースです。ミシンの心臓部であるカマやボビンケースをほぼ一手に引き受けているメーカーです。大小様々なカマがケースに並んでいます。

弊社の刺繍ミシンでもおなじみの刺繍糸「エンゼルキング」を扱う中村商事さんのブースです。色数豊富に並ぶ刺繍糸は、画材屋に並ぶ絵の具のようでワクワクします。

弊社では主にUVプリンターでお世話になっているミマキエンジニアリングさんも、大型昇華プリンターでブースを出されていました。

今年に入ってから特に、弊社は機械刺繍に力を入れています。それは3Dプリンターやレーザーカッターに比べて担い手が少なく、まだまだ多くの可能性をもっていると感じているからです。そんな中、今回のFISMAは今後の機械刺繍開発の励みになるイベントでした。

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